だから日本はズレている
だから日本はズレている/古市憲寿
感想
リーダーなんていらないし、キズナじゃ一つになれないし、ネットで世界は変わらないし、若者に革命は起こせない。
さすが社会学者だなと。ワイドショーなどでズバズバ切っている印象と同じ論調で本書も痛烈に展開している。
J-POPの歌詞と憲法を比較したり、洗濯機の機能を皮肉満載で批判したり、目を向ける幅が広いのは社会学者だからなのか。
“ソーシャルメディアのにおける『共感』というのは、冷めやすい”
昔のデモや不買運動なんかに比べると、今のソーシャルメディア時代の炎上や企業バッシングなどは手緩い。
マスメディアの時代は終わり、次はネットの時代だ、と言われるが、まだまだテレビなど影響力は強いし、街頭の広告宣伝の方が効果的である。
なので、マスメディアとソーシャルメディアの「共存」が今後数十年も続いていくのであろう。
“社会をよくするためには、「静かな変革者」を少しずつでも増やしていくしかない”
学生運動やデモなどをしなくても、今の若者は「変革」し「革命」を起こしている。他者をバッシングして、小さな自尊心を満足するだけでは意味がない。社会を変えるために、少しずつでも行動を起こそうということだ。
ピースボートでの体験や反原発デモでの体験は興味深い。時間や経済的に余裕のある高齢者が娯楽の為にデモなどに参加をする。動画などで見るデモ行進者におおかた高齢に見える人が多いのはそのためだ。
批判的な目線で社会的現象を語っているが、全体的には主張よりも分析が多かった。
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